今日は最近起きた事件としてビデオ男優のミンヤザーの陰惨な事件を書いていた。朝食の時、うちに下宿している大学生の2人に、「何か事件ないのか? 少しは協力しろ!」と苦言を呈したところ、昨日の夜起きた、ダゴンにある中国人経営の肉まんとパンの工場で起きた事件があるというので、ネットニュースを見せてくれた。
それで最もホットなこの事件を先に取り上げる事にした。
25年くらい前にタイでも同じような事件があった。でもこの事件の後の騒ぎが、重装備の警官隊出動までに発展した結末が、もっと恐ろしいと思った。
以前から周辺の住民から不審な工場と思われていた。車の出入り以外はしっかり門が閉ざされていて、時々子供が泣き叫ぶ声が聞こえていたらしい。13歳から19歳までの、(女性の方が多いみたいだ。)18名が、閉じ込められ監視されながら、長時間工場で働かされ、敷地内にある寮で生活して、絶対に敷地内から出ることができない生活を強いられていた。
※のちの報道で、(総勢22名 最年少は8歳の女の子。内10名がコロナに感染していたそうだ)
少しでも反抗的な態度や、仕事が遅かったりすると、経営者の弟や見張りの男達から暴力を振るわれていた。一度少女の一人がスキを見て逃亡したが、追いかけられ捕まえられて、残酷なリンチを受けて、他の子達はますます恐怖に震え上がっただろう。囚人や奴隷以上の監禁強制労働が続けられていたのだ。昨日、11月20日に最年長の19歳の男性が、意を決して工場を脱出して、近くの住人に助けを求め、その人達の協力で警察に駆け込んでこの事件が明るみに出る事になる。
すぐにこの事は、噂が大好きな周辺の住民に瞬く間に広がり。何百人もの怒りに燃える、自称正義の味方達が、工場に立ち入り。工場に投石を続け、工場で使ってる軽トラック数台にオーナーの乗用車などを、メチャメチャに壊したり。鍵を開けないと火をつけるぞと脅したり、集団ヒステリー、暴徒化してしまった住民のところに、警官隊まで重装備で駆けつけた写真がネット上に沢山映し出されていた。
もちろん、1番悪いのは、中国人の経営者であるのは間違いない。人権を蹂躙しているし、日常的な暴力、完全に犯罪者である。その上この工場自体、ライセンスを取得していない闇営業であることも発覚する。
しかし、住民が無許可で不法侵入して、工場や車を破壊する事も、法的に許される行為ではない。結局、地域の偉いさん(NLD)まで呼ばれて、マイクロフォンで、解散して家に帰れという言葉にも、「まだ子供を隠しているかもしれないし、奴らのいう事は信用できない」という言葉に、警察官立会の元、群衆の中から10名が選ばれて、それらの人達と工場内、従業員の寮なども隈なく探したけれど、もう一人も工場内には残っていないことが判明する。
それも、昨夜のうちに子供達は全員保護されているという、警察の言葉も住民は信用してなかったのだ。しかも、子供が残っていると疑っている群衆は、子供がいるかもしれないのに、投石したり、火をつけるぞと脅したり、怒り狂っている暴徒に、冷静な判断は無理なのだろう。
中国人経営者や、暴行を繰り返した弟や監視役の若者達も、厳罰に処されるべきだと思う。
しかし、数台の車や工場の一部を破壊した、暴徒化した群衆は裁かれないのか?
一つの大きな原因は、COVID-19である事は、間違い無いだろう。人々が経済的な困窮に加えて、精神的にも病弊している。(毎日 南洋音工作室の動画を発信されている、石谷さんの動画で、その後の調べで、救出された人数は22名、最年少は8歳の女の子だったそうだ。)
こんな大事ではないが、かつてほとんどトラブルがなかったうちの近所でも、ここ最近3つばかり騒動があった。20年間今の住居に住んでいるが、騒動起こす家は決まっていた。今回その家は静まりかえっていて、誰も住んでいないという噂もある。
騒動1は、ここ数年で車が急激に何倍も増えている。それで1番困るのは駐車場である。
2週間ほど前だ。ちょうど買い物に行く途中だったので現場を見ていた。駐車しようとした車が、バックしすぎて家の門扉を壊したのだ。わーわーと家の人が出てきて騒いでいたが、翌日、職人が来て門扉を修理していたので、これはスピード解決だった。
その翌日、うちの子達がリビングルームの窓を開けて、下を覗いているので、何事かと私も見てみた。道幅が8m程ある狭い通りだが、うちの向かいのビルの2階の住人のおっさんが、叫んでいるのだ。5分前に停電になって、うちのビルは大きなジェネレーター(発動機?)の設備があって、それはビルの前に3台ほど設置されている。向かいの親父は、「ジェネレーターの音がうるさい!排気ガスの匂いで息ができない」と言ってるらしい。「これは日本製で消音装置がついてて、大きな音は出ていない。また、8mも道路を隔てた住居に、呼吸が出来ないほどの排気ガスも出ていない。この騒動は、人が集まり出して時に、停電が解除になったので無事終了した。うちの子らが、あの親父は酒飲んでいたと言っていた。
この静かな通りに、3つ目の事件が起こった。実は何が原因かわからないが、うちのビルから向かいの、かなり斜め前のビルの一階で、すでに10人くらいがワーワー言っていた。うちの子らから聞いてまた窓を開けて、高みの見物である。原因も誰と何を争っているかも解からぬまま見ていると、一旦家に入ったおばさんが、これで終了かなと思った時、包丁を振りかざして出てきたのだ。見物人達もわーと後退りした時、誰かが呼んでいたのだろう、数人の警官がタイミングよく駆けつけて、本当に終了になった。
自粛自粛の生活で閉塞感が重石の様に、人々の精神をじわじわと狂わせているのだと思う。ミャンマー人の美徳である、寛容の精神が狂ってきていると感じた。
それが拡大され破裂したのが、今回の肉まんとパンの工場の暴徒化した住民達だと思う。
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