今年 COVIDー19で自粛が始まった4月ごろに発覚した事件だ。このミンヤザーを全く知らなかった。彼は映画俳優ではなくて、ビデオ俳優と呼ばれる。日本のVシネマの事だ。ビデオ映画は、映画館がない地方都市、テレビもビデオデッキも持たない村人相手の、ビデオ館で人気を博している。もちろんヤンゴンなどの大都市でも、ファンは多い。そのビデオ映画の主演級の男優だそうだ。背も高いガッチリとした体格でちょっと強面のアクションスターだ。地方の人はアクション映画が大好きで、ヤンゴンの人と好きな俳優が異なる。因み私のダベェ達は、大体この俳優を知っていた。
事件のあらましは、14歳からミンヤザーの家に入って、5年勤めているお手伝いさんへの性的暴行と、ミンヤザーとその妻、マネージャーの男性の3人から、女性の大事な部分に、酸性の劇薬を掛けられ、奥さんの父親からは、棒で全身にあざができるほど殴られた。残酷で陰惨な事件である。
ニュースは5月7日北オカラッパの裁判所に、ミンヤザー夫妻とマネージャーが護送されるところから始まった。取調べの後だろうか?3人は昔ながらの足を木の枠にはめられている。
テイットン(ထိတ်တုံး)と呼ばれる足枷にはめられて3人の写真に驚いた。
古い習慣や衣装、農具などの事典で、その存在を知ってはいたが、21世紀の現在でも使われている事に驚いてしまった。
被害者の女性は14歳の時からミンヤザーの家のお手伝いさんとして働き出して5年、まだ19歳である。以前の動画にミンヤザーは、庭で子供達と遊ぶ動画などがあり、男の子女の子2人の父親ぶりをアピールしていた。家の中のインタビューに男の子を父親のそばから、別のところに移すその女性が一瞬写っている。
一回もミンヤザーのビデオ映画を見たことがないので、なんとも言えないが。かなりキャリアも長いようだ。奥さんは素顔で北オカラッパ裁判所に護送される映像など見る限り、色白で美人である。長身のミンヤザーと並ぶと小柄だが、被害者の女性はさらに小柄である。
事件が発覚したのは、ミンヤザーの妻がこの女性の実家に電話をして来た事から始まる。
どうやらその電話の内容を、被害者の義父が録音していたのだ。
事件はこれにより第二幕が始まる。
事件そのものより、慰謝料の話に移っていったようだ。義父も母親もミンヤザーの方から、「慰謝料1000万ksで、事を収めて欲しい」と言う話が来て、次には「払えない」となった事で、怒った義父と母親が裁判所に告訴したのだ。ミャンマーの法律では、警察を飛ばして裁判所から始めるやり方があるのだ。録音したものが確かな証拠として、被害者側が有利な場合、その方法を取ったと想像できる。一方ミンヤザー側は警察の調べで、被害者の女性は実は、22歳で未成年ではないと主張。彼女が2008年のサイクロン.ナギリスの被害が大きかった地方出身で、正確な身分証明書を持たないので、勝手に22歳と主張しているのだ。幾分でも罪を軽減したいのだろう。
被害者側の母親の新しい夫、義父は顔で判断してはいけないだろうが、ハンサムな方だが明らかに悪人相である。叔父という男は、母親の弟と思われる男2人は、普通の感じだが、この事件のためにモーラミャインから仕事を休んで駆けつけている。2人ともインタビューで長々と喋りまくる。普通田舎の人は口下手で、口数も少ない印象だが、この叔父さん2人は立板に水、長々とカメラに向かって話し続ける。何かが変である。つまり、被害者の女性の事より、まずは慰謝料の事が主体になっているのだ。金の匂いがするところに、人は集まってくるものである
また、被害者の女性も顔を写さずに、インタビューに答えていたが、19歳だとしても、ジャラジャラと手首に安物の飾りをたくさんつけて、話し方も子供っぽいし、自分の考えがない女性の様に感じられる。叔父のインタビューにもあった、この女性は教育も受けておらず世間知らずのままで、本人に解決する能力がないので、自分達が力になる為にやって来たと言っていたが。
もちろん1番悪いのはミンヤザーである。
妻である女性もおかしい、事件を犯したのは夫である。それを被害者である女性だけを嫉妬心から憎み、劇薬をかけるリンチは、人権を無視した残酷で非情の極みである。
一つ救いがあるとすれば、ミンヤザーの仕事仲間である、ビデオ映画界の常識ある有志が、この被害者の女性に、300万ks贈った事だろうか?
裁判は長くかかるので、どういう判決が待っているのか分からない。もしかしたら、ミンヤザー側から、被害者側に高額の慰謝料が支払われて、被害者側が急遽告訴を取り下げる可能性もあると思う。
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