よく聞かれる質問が、「海外移住で一番大切なものは何ですか?」
適当に、「金、健康、友人」と答えていた。
間違いではないが、これは最低ラインだと思う。
まずお金の事から話を進めてみよう。「ヤンゴンでどのくらいお金を持っていたら生活してゆけますか?」と、質問された時、日本に一時帰国中の多分20年近く前だと思う。とっさに答えられなかった。
その当時、45歳からミャンマーの大学に入って、学生していたので、あまりお金に関して真剣に考えた事がなかったからだ。それで答えを渋っていると、質問した人が、イラついているのがこちらにも伝わってくる。適当に返せばいい話なんだけど、根が真面目なもんで、ちょっと時間を下さいと言って、「生活のスタイルで金額は全然違ってきますので、一概には言えませんが、私自身はローカルのアパートに住んでるし、チョコチョコ国内旅行に行ってるくらいが贅沢で、車の運転手とかも雇っているので1ヶ月1000ドル位ですかね」と答えた記憶がある。当時、ヤンゴン生活が私より長い人達が、だいたい700ドルもあれば、外国人としての生活ができると言われていた。でも20代の日本人留学生などは、「3、400ドルで充分生活できますよ」と言っていたので、やはりどんな生活スタイルかによると答えたと思う。2020年11月現在でも、ローカルアパートに住み贅沢しなければ500~700ドルくらいで暮らせると思う。
「健康である事」は、言うに及ばずで、「お金」「友人」だってそうだろう。結局、日本の生活に必要なことが、海外でも重要な事なのだと思う。
ただ医療施設も日本に比べ、まだまだだし、日本人自体も少ないので、その中での人間関係になるので、日本では、こっちがダメならあっちにと選択肢が多いが、ヤンゴンの日本人社会は狭いし、数も限られているので、慎重に人間関係を構築してゆく必要があるのは確かだと思う。かくゆう私は、日本人会にも属さず、極々少数の日本人友人とミャンマー人の友人、スタッフに支えられながらの、長きにわたるヤンゴン生活を営んでいる。
1年前だったか、ひょんな切っ掛けから、フィリピンの日本人YouTubeを見ていた時期がある。亡くなった次兄が長い間フィリピンで仕事していた関係もあるが、人気Youtuberの3人さんが、「海外移住で必要な事」の質問に対してどなたも、「言語」をあげておられた。そう言葉は生活の基礎だろうし、現地に住む日本人とだけ交流する人もいるけど、田舎などに住んでいる人は、やはり周りに住む現地の人の交流が、重要になってくるし、やはり言葉というのは最重要項目から外せませんね。
次兄が亡くなる前に、入院先の横浜の病院でゆっくり話す機会もあった。フリピンに行った時も、現地マニラで2度ばかり兄と会ったこともある。兄は人生の殆どが海外生活で、16カ国で仕事(決して一流商社マンではないですが)をしていた人なので、彼が常に言っていた事は、「どの国でも日本人を騙すのは日本人だ」という言葉です。これは上記のフィリピン在住有名YouTuber の皆さんも、同じことを言ってありました。私は、日本人には騙された事はないけど、現地人にはずいぶんやられました。
また重要なこととして情報源を2つ以上持つ事ですね。1人のミャンマー人だけを信じていて、とんでもないことになった人も何人か知っています。また通訳やガイドさんは、言葉の専門家であって、ビジネスの能力が高い訳でもありません。
ある旅行会社を立ち上げた日本女性の話です。彼女はベトナムで成功して、営業拡大のためミャンマーでも旅行社を立ち上げたやり手のビジネスウーマンです。まず共同経営者(名義人)として、学識もあり日本語も上手い、性格も問題ない人物を選んでいました。すると会社が立ち上がらない前に、何人もの運転手さんが面接に来るので、不思議に思い面接希望の人に、募集もしてないのにどうして来たんですか?と聞いたところ、名刺を差し出されたそうで、その名刺は確かに彼女の会社名が入っているんですが、マネージャーを名乗る女性の名前は全く知らない人だったのでどういう事かと、共同経営者というか名義を借りる青年に問いただしたところ、その女性は彼の叔母さんだったそうです。驚愕した日本女性は、すぐさまその共同経営者候補の男性を切ったそうです。
あと健康に関してですが、ヤンゴンで付き合っている女性に店を取られたと、私の所に相談に見えた60代後半の日本人がいました。「店の名義がその女性の名前だから、裁判しても勝てませんよ」とアドバイスした記憶がある。その後、その方を外で何度か偶然お見かけして、最後にMarketPlaceで会った時、ミャンマー人の新しい彼女(2人もお子さんが出来ていた)と一緒だったのだけど、顔色が尋常でないくらい悪くて、大丈夫かなと思っていたところ、知人の話だと白血病だったそうだ。その後歩行もままならないくらいに衰弱されて、治療のために帰国しようと、ヤンゴン空港まで行かれたのだが、空港で航空会社からキャンセルされて、数日後ヤンゴンで亡くなったと聞いた。
もう一人の方は、体格も良くいつも健康そうに見えていた方だが、感染症で重体になって急遽日本に帰国されてた。空港から救急車で病院に運ばれて、一命を取り留めた方もいらっしゃる。医者から帰国が少しでも遅かったら、相当危なかったと言われたそうだ。
もうひと方は、日航ホテル(現在チャトリウムホテル)で、働かれていた小柄だけど綺麗な29歳の日本女性の事も忘れられない。昼間にそのホテルのロビーで背後から「清岡さんお元気ですか?」と声をかけてこられたのがその女性だったのだ。1、2度しかお会いした事がないのに、名前を覚えておられた事にも驚いたが、もっと驚いたのは、その夜に突然亡くなってしまったからだ。深夜そのホテルの弁慶というレストランの料理人が、外からホテルに戻ると、階段のところでうずくまる女性に気が付き、どうしたんですかと尋ねても、返事もできないくらいの状態なんで、急いで車を呼んで、すぐ近くにあるシンパクー救急病院に向かったそうだ。シンパクー病院はホテルから車で行けば2分ばかりだ。病院に着く前に、「私、、、もうダメ」と言って車中で絶命してしまったと。後で彼女の部屋には、喘息の薬があったそうで、もともと呼吸器系に持病を持たれていたそうだが、昼間お元気だった方が、その夜に突然亡くなるというショッキングな出来事でした。
それでは最後に、海外移住ミャンマー生活に必要な項目をまとめると、健康 お金 友人 ミャンマー語この4つだと改めて思います。
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